FXの移動平均線の見方とエントリーポイント

FXの移動平均線は、世界中の多くのトレーダーに利用されている最もポピュラーなインジケーターです。
為替相場はトレーダーの大衆心理で変動するので、ポピュラーなインジケーターでエントリーポイントを探すのは勝ちトレードに有効的な方法です。
移動平均線は基本として使いこなせるようにしておきましょう。
そこで本記事では、
- 移動平均線とは何か?
- 移動平均線の使い方
- 移動平均線のエントリーポイント
について丁寧に解説していきます。
ぜひ、ご参考にしてください!
移動平均線とは?
移動平均線とは、ある一定期間の終値の平均値を線で結び、チャート上に描いたインジケーターです。
トレンド状態やエントリーポイントを判断できます。
下の画像の線が移動平均線。
1〜3,4本表示させて使うのが一般的です。

移動平均線は3種類ある!
移動平均線には、
- 単純移動平均線:SMA(Simple Moving Average)
- 加重移動平均線:WMA(Weighted Moving Average)
- 指数平滑移動平均線:EMA(Exponential Moving Average)
の3種類があります。
それぞれの違いを1つずつ見ていきましょう。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線は、先程申し上げたとおり、一定期間の終値を平均して線で結んだものです。
「移動平均線」と言われたら、この単純移動平均線のことを指します。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線は、単純移動平均線より直近の値に比重をおいています。
そのため、単純移動平均線に比べて相場に敏感に反応します。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数移動平均線は、加重移動平均線に計算を加えたもので、より相場に対して敏感に反応します。
その分、ダマシが多くなるのが難点。
初心者は単純移動平均線を使えばOK!
移動平均線が3種類もあると、一体どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。
初心者は単純移動平均線を使いましょう!
中級者・上級者も単純移動平均線を使っている人はたくさんいるよ。
先程ご説明したとおり、移動平均線の中で最も相場に敏感に反応するのは、指数平滑移動平均線です。
【相場への反応が早い順】
- 指数平滑移動平均
- 加重移動平均線
- 単純移動平均線
それなら、指数平滑移動平均を使った方がよりタイムリーに相場を捉えてエントリーできるのでは?と思ってしまいますよね。
ところが、反応が早すぎるが故にダマシが発生しやすいので、初心者にはおすすめできません。
ほかのインジケーターと併用して分析ができるようになれば使ってみてもいいかもしれないですね。
でも、上級トレーダーでも単純移動平均線しか使ったことがないという方がたくさんいるくらいなので、ひとまず単純移動平均線を使えるようにしていきましょう。
移動平均線の使い方
※これ以降は、移動平均線=単純移動平均線についての説明となります。
移動平均線の使い方について解説していきます。
期間設定は?
移動平均線を設定する時に、迷ってしまうのが期間。
短期・中期・長期とそれぞれ設定しなければいけません。
移動平均線は、一定期間の終値を平均化して線で結んだものと先程申し上げました。
たとえば移動平均線の期間を5にすれば、直近5日の終値を合算して5で割り、その値を線で結びます。
こういった計算上、設定期間を何にすべきかは、投資期間に合わせて使い分けるのが一般的と考えられます。
M
使用するチャート時間足↓ | 短期線 | 中期線 | 長期線 |
15分足以下 | 5 | 8 | 13 |
30分〜4時間足 | 10 | 15 or 20 or 21 | 50 or 100 or 200 |
4時間〜週足 | 20 | 50 | 100 or 200 |
上の表をご参考に、ご自身のトレードに合わせて設定して下さい。
移動平均線の使い方
ここまでで、移動平均線について基本的な概要をご理解いただけたと思います。
続いては、移動平均線の基本的な使い方を解説していきます。
移動平均線では、線とローソク足との位置関係や傾きから、
- 上昇トレンドか下降トレンドか?
- トレンドが強いか弱いか?
を判断することができます。
それぞれ、どういう特徴から判断するのか詳しく解説していきます。
トレンドの方向性
移動平均線は、線の傾き方でトレンドの方向性を読み取ることができます。
- 右肩上がり→上昇トレンド:買い
- 右肩下がり→下降トレンド」売り
- 横ばい→レンジ:様子を見る
相場の大まかなトレンドをひと目で把握できます。
トレンドの強弱を認識する
移動平均線は、角度でトレンドの強弱を読み取れます。
- 角度が緩やか:トレンドが弱い or トレンドが終わる
- 角度が急:強いトレンド発生中
と、判断します。
移動平均線を使ったエントリーポイント
移動平均線は、トレンドの方向と強弱だけでなく、エントリーポイントも示してくれます。
チャート上に表示した短期・中期・長期の移動平均線の「交差=クロス」が、上昇・下降のトレンド発生のサインです。
クロスポイントでは、買いまたは売りのエントリーと判断します。
- 短期線が長期線を下から上に突き抜ける→上昇トレンド発生=ゴールデンクロス→買いエントリー
- 短期線が長期線を上から下に突き抜ける→下降トレンド発生=デッドクロス→売りエントリー
移動平均線の基本的なサインとして、理解しておきましょう。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは、「買い」エントリーのポイントです。
短期線が長期線を下から上に突き抜けたら、上昇トレンド発生と判断し、買いエントリーします。

デッドクロス
デッドクロスは、「売り」エントリーのポイントです。
短期線が長期線を上から下に突き抜けたら、下降トレンド発生と判断し、売りエントリーします。

移動平均線では、このように短期線と長期線が交わるポイントでトレンド発生と判断しエントリーを見極めます。
移動平均線の傾きが弱い時にはエントリーを見送る
ゴールデンクロス・デッドクロスといっても、移動平均線の傾きが弱い場合はエントリーを見送りましょう。

上のチャートでは、短期線も長期線もほぼ横ばいです。
角度のないデッドクロスを形成した後、しばらく様子を見ていると、次にゴールデンクロスを形成というように方向感が定まっていない動きをしています。
このように、クロスポイントだけでなく線の角度や方向などを総合的に見て、エントリーを判断していくことが重要です。
ダマシも注意!
どのインジケーターにも言えることですが、移動平均線でもダマシがあるので注意しましょう。
基本的な使い方に基づき相場を分析していても、ダマシによって予測が外れることがあります。
エントリーポイントと判断した後、
- ローソク足を確認する
- 他のインジケーターを確認する
ことによってダマシを回避できます。
エントリーポイント発見した後にローソク足の形やヒゲ、他のインジケーターでエントリーの根拠を強めてから買いあるいは売りエントリーをしましょう。
より勝率が安定します!
移動平均線と相性のいいインジケーター
移動平均線は単体でも十分に分析できますが、ほかのインジケーターと合わせて使えばより確度がUPするので組み合わせて使うことをおすすめします。
どのインジケーターとも相性がいいので、「お好きなもので…」と言いたいところですが、poziが併用してとくに勝率が高かったのが、
- MACD
- ストキャスティクス
です。
それぞれを併用して分析した場合のエントリーポイントを見ていきましょう。
MACD
MACDは、相場のトレンドや転換を示すインジケーターです。
今の相場が、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを0ラインを基準に判断できます。
- 0ラインより上:上昇トレンド
- 0ラインより下:下降トレンド
また、MACDでも移動平均線と同じようにゴールデンクロス・デッドクロスを形成したタイミングでのエントリー判断が可能です。
【MACDの詳しい説明はコチラを読んでください】
移動平均線とMACDを併用した場合のエントリールールは以下のとおり。
【買いエントリー】
- 移動平均線:ゴールデンクロス
- MACD:0ライン以下でゴールデンクロス
【売りエントリー】
- 移動平均線:デッドクロス
- MACD:0ライン以上でデッドクロス
以下のチャート図をご覧ください。

移動平均線の◯の箇所でデッドクロスを形成していますが、0ラインから伸びるヒストグラムが次第に短くなっていっていくので、下降トレンドが弱まっていくかも?と様子を見ます。
その後、MACDがゴールデンクロスを形成。
ヒストグラムも0ラインより上に伸び始め、上昇トレンドへの転換と判断し買いエントリーしました。
このように、移動平均線だけでは見極めきれないポイントも、MACDを併用することで判断しやすくなります。
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、相場の過熱感を示すインジケーターです。
今の相場が「売られすぎ」か「買われすぎ」かを1〜100%の数値で示します。
トレーダーにより基準は異なりますが、一般的には、
- 80%→買われすぎ
- 20%→売られすぎ
と判断します。
これ以外に、ストキャスティクスはゴールデンクロス・デッドクロスでのエントリーといった使い方も可能です。
【ストキャスティクスの詳しい説明はコチラを読んでください】
移動平均線とストキャスティクスを併用した場合のエントリールールは以下のとおり。
【買いエントリー】
- 移動平均線:ゴールデンクロス
- ストキャスティクス:20以下のエリアでゴールデンクロス
【売りエントリー】
- 移動平均線:デッドクロス
- ストキャスティクス:80以上のエリアでデッドクロス
以下のチャート図をご覧ください。

移動平均線の◯を見ると、デッドクロスと読み取れます。
しかし、ストキャスティクスの◯を見ると、売られすぎの20以下のエリアでゴールデンクロスを形成しています。
2つのインジケーターが真逆のサインを示しているのでここでのエントリーを見送りました。
その後、移動平均線の◯の箇所でゴールデンクロスを形成。
ストキャスティクスでも◯のゴールデンクロス形成後、20以上のエリアではあるものの上昇基調が確認できたため、ここで買いエントリーを実行しました。
もし、移動平均線だけでエントリーを判断していれば、売られすぎであることを見落とし、売りエントリーをしていたかもしれません。
しかし、ストキャスティクスを確認したことで、「見送る」と判断し、次のエントリーチャンスで2つのインジケーターが示す根拠をもってエントリーできました。
まとめ
移動平均線は世界中の多くのトレーダーが使用しているインジケーターです。
シンプルで使いやすいので、使ったことがない方はぜひ試してみてください。
どのインジケーターにも当てはまることですが、ダマシがあるので、回避するためにもほかのインジケーターとの併用がおすすめです!